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誰かが亡くなり相続が発生したときや遺言を作成するときなど、「相続」を考える際には財産の調査をしなければなりません。預貯金や不動産、株、保険など財産はさまざまですが、今回は不動産の調査方法について考えます。
不動産の財産調査方法
どのような不動産を持っていたのかを調べる際は、たとえば次のような資料が参考になります。
(1)固定資産税の納税通知書(課税明細書)
(2)登記済証(権利証)・登記識別情報
(3)名寄帳
このうち、(1)(2)は自宅にあるもの、(3)は市区町村役場で取れるものです。
多くの場合、不動産には固定資産税がかかりますので、毎年市区町村役場から送付される(1)固定資産税の納税通知書は比較的目にすることが多く、不動産を特定する足掛かりになります。
ここで注意したいのが、この納税通知書に載るのはあくまで「課税されている不動産」だけであるということです。認識している不動産が自宅の土地と建物しかない場合、納税通知書だけを確認すればよいと考えがちですが、そうすると課税対象ではない道路などを見落としてしまうことがあります。せっかく遺言で相続の準備をしたり、遺産分割を取りまとめて協議書を作成しても、一部の非課税不動産を見落として作成してしまうと、相続紛争の原因になったり、相続した不動産を売却するのが難しくなったりすることもあるため、注意が必要です。
(2)はいわゆる不動産の権利証のことですが、これも紛失している場合には不動産を特定することができません。そこで登場するのが(3)の名寄帳(なよせちょう)です。これは、市区町村役場にある所有者ごとの不動産を、非課税不動産も含めて一覧にしたもので、自治体により「資産明細」「課税台帳の写し」など呼び方はさまざまです。現在の住所地や過去住んでいた場所、本籍地など、可能性のある市区町村役場で名寄帳を取ることで、所有していた不動産を確認することができます。少し手間ではありますが、財産の調査は慎重に行うことが肝要です。
代表の公認会計士・税理士の野末 和宏です。
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